なみおさんの日記

教育したりされたりする仕事をしています。

某小学校の公開研究会に参加しました。

毎年の恒例行事の時期です。公開研究会。

色々思ったことをメモしたいと思います。

 

”フゾク”小学校の先生たち

もうこの年になると、同期の中でもいわゆる”フゾク”という都道府県下でも最強の研究校に配属されていきます。年齢も経験年数も同じくらいの人たちです。その授業に対する姿勢や意欲にはただただ感服するばかり。自分なんかは公開は何度か経験してますが異動しても「また公開研究か・・・。」なんて気持ち半分思ってしまうものです。

そんな先生たちなので指導案を見ても「アイディアマンが揃ってるなー」という印象です。題材といい、ねらいといい、新学習指導要領を見越して様々な試行錯誤が行われている印象です。チャレンジングスピリットにあふれています。

 

若きアイディアマン、ゆえの苦悩

授業者は若手と呼ばれる人ばかりです。

協議会の中で授業内容や題材云々よりも、そもそもの授業技術を問われる場面が多かったように思います。子供と共有すべき学習課題、子供に対する発問、つぶやきの返し、時間配分、学習内容の集約(まとめ)・・・私から見ても突っ込みどころ満載です。そして「やはり・・・」といわんばかりフロアのベテランからは総突っ込みを食らうわけです。

そこに若きアイディアマンの苦悩があるように思います。公立校にあるようなベテランの学年主任と組み、嫌味をいわれながらも技術は伝承されていく。このベテラン→若手の技術の伝承が起こりにくいわけです。技術の伝承がなければ自分の思いだけで授業をしてしまうだけです。

しかし授業技術というのは学問と同じで先人たちの試行錯誤の積み上げであります。公立校の研究は、先駆的な取り組みや手立てを試す場であるものの、その中でも若手が先人たちの技術を学ぶための場であったりするわけです。さて、”フゾク”ではその場が果たしてどのくらいあるのだろうか。そのための時間をどれだけとってもらえたのだろうか。ここに”フゾク”の大きな落とし穴があるように思います。

 

”フゾク”は何が恵まれているのか

「研究のためのお金があり、設備も整い、選ばれた子供たちで授業をする。そういう恵まれた環境下でこの授業では、フゾクとしてははっきりいって0点です。」

非常に強烈なフロアの意見。笑 そこまで言わなくてもいいと思うけど。笑

でもたしかに”フゾク”は恵まれている。様々な学習を行うためのあらゆるモノ、カネ、ヒトが公立校よりはるかに揃っている。そういう意味では恵まれている。

でも、果たしてそこで教鞭をとる教師は恵まれているか?

 

マインクラフト ‐Education Edition‐ を使ったプログラミング教育

やはり来たか・・・。笑 と思う今日話題のプログラミング教育。

僕の学生時代の後輩が授業をしていました。班ごとに同じワールドに入って、ある課題について試行錯誤しながらバーチャルな世界でものづくりをしていく取り組み。

班ごとに、話し合い、作り、失敗し、問題を見つけて、また作る。

指導案を見ればきれいな流れであったが現実はずいぶん違っていた。

まず、バーチャル世界での取り組みは同じグループの子供の画面が見えず、同じワールドでも誰が、どこで、何をしているか、がわかりにくい。現実世界で同じことをすればすぐ隣で友達がある部品を作っていて、一人ではできない作業は「ちょっとここおさえてて」「セロハンテープが切れちゃったから貸してくれる?」「僕はこの作業が苦手だから〇〇ちゃん頼むね」「ここどうすればいいのかな?」という”協同”が生まれる。バーチャル世界においてこの”共同”の生まれにくさを感じた。

現実世界で友達がすぐ隣で何かをしていれば「何してるの?」ってすぐ聞けるし気づけるが、パソコンの画面に向かっているとその反応がものすごく鈍る。結果、個人作業で同じモノがたくさんできてしまうし、自分の意図が共有されなので、色々なところでミスが出てその修正のために時間を取られてしまう。それはそれで課題解決と思えばいいのかもしれないけど、そんなこと学校でなくても家でできる。グループで共同で話し合って、意見を出し合って試行錯誤して・・・というよさが全く生かされていない。

 

学校でできることって何だろうか

午後の講演会での話。

学習内容は塾でおさえてる。塾に行かなくとも学校の勉強でわからないことは教え方のうまい先生のYoutube動画で見れる。そんな時代が来ています。

家でも勉強できんじゃん?友達だってスカイプで話せんじゃん?あれ?じゃあ学校で何のために行くの・・・?古い校舎、古い机、道具もお金も人もそろってない。そんなところより家で勉強したほうがよくね?働く人のための託児所か?

学校のよさってなんだろうか。同じ空間に同じ年齢の色々な個性をもった友達がいる。友達どうして何かを作ったり、よさを認めあったりする。勉強もする。一緒に何かをするよさがある。

 

でも自分はこれだけでは弱すぎると思う。はっきり言って自分はいくらでも自宅に引きこもれる人だ。笑 教員で在宅ワーク事業が生まれたらすぐ飛びつくだろう。笑

家にいながら何でもできるようになる時代。学校はどうなってしまうのだろう。もう義務教育って必要ないのかな?そんなことを思いましたとさ。