授業公開の備忘録 ~大妻中野中学校・高等学校~
授業公開の備忘録
遅くなりましたが、今回は大妻中野中学校・高等学校にお邪魔し、授業を見させていただきました。
特色としては
SGH(スーパーグローバルハイスクール)アソシエイト校として、国際教育に力を入れている。(フランス語で天気予報をする動画を作成していました。)
ICT教育として、一人一台のタブレット端末(全校1200人全員配布・・・!!!)
○ロイロノートの導入
授業支援【ロイロノート・スクール】小学校から大学まで深い学び
○オフィスソフト、辞書機能(英語・国語・古語)
○QQEnglishの導入
スカイプのようなインターネット通話機能を使って、海外の英会話講師とのやりとりを学習に導入しているようです。
○スタディサプリ(英語・数学)を用いて反転学習の導入(こちらは主に数学)
自宅で事前学習(予習) → 学習終了後、演習の結果をフィードバック → 事前学習をもとに授業 → 学習の内容を蓄積、ポートフォリオを作成し、振り返ることができる。
・・・などなど、ICT機器とその機能を生かした学習が盛りだくさんの学校でした。
中でも驚いたのはLMS(Learning Management System)を導入し、学習のみならず連絡や校務にもふんだんに使われていた点です。
LMS(Learning Management System)の話
大妻中野中学校・高等学校ではmanabaというLMSが導入されていました。
これが本当にすごい!と思ってしまいました。
とにかくペーパーレス!生徒・保護者へのお知らせ配布文書もデータ上で行われ、会議にも活用されているようです。さらに、小テストや委員会・部活動などの連絡用にも使われているそうです。(一応、電子会議室っていう機能が私の学校にもあるんだけど・・・。笑)
大学でも導入事例が多く、中高ではまだ少ないとのことですが、これは一見の価値ありでした。
提案資料を作るのに、大量の紙を印刷し、とじ込み、配布する手間が省けたらどんなに楽か・・・。笑
休み時間の会話の中で「先生ー、数学の試験範囲って出てますか?」『あーweb上に上げてるから確認してー』「はい、わかりましたー」みたいな。こうした連絡にも役立っているんだなぁ。
実際の授業の様子はどうなのよ?
先生型も生徒たちと同型のタブレットPCを持ち、電子黒板(プロジェクターに投影されたものに記入するタイプ、インタラクティブ・ホワイトボードのようなもの)と合わせて活用。
中でもなるほどなーと思ったのは、中学の日本史の学習で、メインの部分は電子黒板に、文化史などの流れは手元のタブレットに投影し、二つの流れをつかんでノートにまとめさせるというもの。こういう使い方もあるのね。(私が無知なだけか・・・。)
ただ、すべてタブレットで済ませているかと思いきやそうでもなく、基本は紙・ペン重視で、ノートに基本は書いてまとめていて、ちょっとした調べものや意見をまとめるのにタブレットやロイロを使って提出。といった形式が多かった。
そして授業を見学させていただいて気が付いたのは・・・ん?この教室、ってか1クラスの人数多くね!?と。
なんと1クラス40〜45人編成。ちょっと公立では考えられない人数。
それでも、そんなこと気にならないほど授業はスムーズだし、議論も活発だった。人数が多くて目が行き届かないといった難点もICTが手伝ってくれるのだろうと思った。
この話をちょっとだけ情報部門の担当者に話したところ・・・
「お金がありません。」
一蹴。笑
でも、セキュリティエリア(個人情報などを扱う、セキュリティの厳しいセンターサーバー内)では、電子会議室や職員会議録などを配布する機能はデフォルトでついてはいる。。。でも、なかなか実際に使ってみようという話にはならない。
私立の魅力は公立と違ってお金をかけるところを決められるところにあるのかなぁなんて思う。すべてが自由とまではいかないのだろうけど、公立のように教育委員会がICTとならないとICTにならないし、クーラー!って言わないとクーラーつかないし、学習設備も欲しいと思ったものは審査を経て一か月後、高額なものは来年になる。
そういった中で、私立に行かせたいと思う親が増えているのもうなずける。お金があれば、設備の整った環境でわが子を学ばせたい。ごく自然な発想だ。でもタブレットPCは自腹だし、学費も高額。ICTが活用できるスキルも必要。
教育の機会均等、義務教育の無償、教育格差を是正するための策がいまや格差を再生産する結果を招いているなんて、なんたる皮肉なこと・・・。
公立校教員なのに、わが子は私立に行かせてもいいなあなんて。妄想するわけだが・・・。よい子に育つ秘訣はお金の力なのだろうか。